エイプリルフールと生コン販売


SYSOP(税理士):私は、この会議室を運営するシステム・オペレーターで、略してシスオペ(SYSOP)と言われています。シグオペ(SIGOP)と言われれることもありますが、パソコン通信(BBS)のシステムを管理しています。


 この”パソコンフォーラム”は、SYSOPである私が、絶大な権力?を握って運営をしております。


オタク(パソコンお宅):私は、このフォーラムに参加しているパソコンが趣味の会員で、夜な夜な寂しくこのフォーラムに顔を出しています。もちろん私の発言は、SYSOPに管理され、ファーラムの趣旨に添ってない発言、他人への中傷や卑猥な図画は削除されてしまいます。


SYSOP:そうです。4月1日は、エイプリルフールだからといってあまり、この”フォーラム”で、悪ふざけは許しませんよ。


オタク:4月1日ぐらい大目に見て下さい。本場ヨーロッパでは古くからエイプリルフールの人騒がせな話がたくさんあります。ラジオ放送を通じて「運河にサケの大群が上がってきた」とか「飲み放題・食べ放題の旅に先着何名様ご招待」というウソを流して大騒ぎになった話があったとのことです。


SYSOP:日本でも20年以上も前に爆弾を仕掛けたというような悪質なものがあったようです。たちの悪いウソは困りますが、微笑ましいものだったら歓迎します。


オタク:難しいですね。考えているうちに4月1日が過ぎてしまいそうです。


SUSOP:そんなに心配しなくてもいいです。私は何でもかんでもSYSOPの権限を行使しませんから安心して下さい。権限を行使しないと言うより、しっかりチェックしていないと言った方が合っているかも知れません。


 SYSOPは毎日フォーラムにアクセスした会員は誰だとか、書き込みがされているかのチェックをしなければいけません。この”フォーラム”も一晩でSYSOPの大任をこなしますのでSYSOPは失格かも知れません。


オタク:パソコン通信のSYSOPはどんなことができるのですか。


SYSOP:SYSOPは、色々な権限が与えられています。 例えば、通常は、発言はその発言をした人しか削除することはできませんが、SYSOPは他の人のものを含めて削除することができます。メンテナンスやファイルの管理をしますと、他の人宛のメールを見ることができてしまいます。もちろん信義に反しますのでそんなことはしませんが・・・


オタク:それでは、SYSOPに与えられたパスワードを知られると悪用される恐れがありますね。


ビーン( Bean Calculator、税理士): 私は、SYSOPさんと同業の税理士です。初めてこの”フォーラム”に参加させていただきます。私は将来、顧問先と電話回線を使った情報交換を考えています。まず手始めにパソコン通信やインターネットの利用を考えていますが、情報の漏洩の心配があるのでしょうか。


SYSOP:ビーンさん初めまして。これから宜しくお願いします。パソコンで情報を伝達する場合には、個人情報であれば、税理士の守秘義務の問題とも絡み、十分な注意を払う必要があります。セキュリティーに不安のあるBBSなどは使うべきではありません。


ビーン:それでは、税理士事務所と顧問先との一対一の接続しかないでしょうか。


オタク:一対一の電話回線などによるネットワークは、ソフトやハードなどの技術的な面でまだ難しいですね。


SYSOP:事務所の中で、財務データやプリンターを共用するのは、それほど難しくなくなってきました。しかし外部とのネットワーク(LAN間接続)は、いかに投資を少なく簡単なものにするかとかセキュリティが万全かなどで、まだ十分ではありません。


 このため、私のところでは、今のところ事務所内に独立した電話回線を引いてパソコン通信(BBS)を開設していますので、メールの外部漏洩については安全だと思っています。


オタク:日本では、鍵をかけずに平気で外出するように保安対策に一般に無頓着です。このようにセキュリティに余り気を使かわない国民性からして、SYSOPさんのところは本当に大丈夫ですか。


ビーン:セキュリティも大事ですね。BBSの開設は、どのようにしたらいいでしょうか。


SYSOP:BBS開設に必要なものは、


 パソコン一台(古い型のものでも結構使えます)、モデム、BBSのホストソフトと電話一回線があれば最低限可能です。


 最も大事なのがありました。まめなシスオペが最も大事でした。


オタク:SYSOPのパスワードは頻繁に変えましょう。


ビーン:パソコンも色々な装置を付けたりアプリケーションソフトをインストールして動かすとなるとなかなか難しいですが、挑戦してみたいと思います。


SYSOP:私もWindows95でネットワークに挑戦してみようと思っています。情報交換をしましょう。ビーン:前々回でしたでしょうか、この”フォーラム”で「つけ売買」の取引形態の話題がありましたが、新たに今度クライアントになったセメント・生コン業界の取引形態もかなり特異のものもあります。


SYSOP:セメント・生コン商流の課題に、販売店とユーザー間の契約書の不備や価格を後で決める販売形態が少なくないなどが指摘されていました。


ビーン:生コンのような反復継続する生産財取引の契約は、一般的事項を定めた基本的な契約を定めて、個々の取引について個別契約を結ぶのが一般的のようですが、販売店と仕入先との基本契約を締結しているものはアンケート調査によると七割程度にしか過ぎないようです。


オタク:販売先に価格を決定せずに商品を出荷して、その後で値決めをする取引慣行は、素材産業では意外と多いみたいですね。


SYSOP:「価格の後決め」を行う業界に共通しているのは、シェア競争が激しく、供給過剰に陥りやすいとか、売り手と買い手の取引が長期的で安定しているなどがあるようです。


ビーン:販売店の「後決め」は、協同組合で20%近い比率に上っています。「後決め」の平均日数は、長いものでは60日を越えるものも報告されています。


SYSOP:申告期限までに価格が決定されない場合もでてくるとすると概算によるなど税務上にも問題となります。


 それにセメント・生コンの取引では途中に協同組合が入る場合も少なくないようですね。


オタク:協同組合はどのように取引に係わっていくのですか。


ビーン:特殊な事例かも知れませんが、次のような取引形態がありました。


一定地域の生コン販売店が協同組合を設立し、ユーザーである建設業者は、まず協同組合に受注@をします。協同組合は組合員である販売店に割り当てA、販売店が直接建設業者に納品Bをします。代金の流れは、販売店は協同組合に代金の請求Cをし、協同組合は、建設業者に請求Dをします。


オタク:協同組合は、その組合員である販売店にどのように割り当てを行いますか。


ビーン:割り当ては、建築現場の近隣の販売業者を割り当てるとか、前年のシェアに応じた割り当てが行われるようです。


 この場合に当初取り決められた割当数量と実際の割当数量に過不足が出た場合には、シェア調整金が発生します。すなわち、年間を通して当初予定より多く出荷した販売店は、協同組合に対してオーバー部分の利益相当額を協同組合に支払い、予定より少ない出荷しかしなかった販売店は、予定利益部分の差額を協同組合から支払いを受けることになります。


ビジター(法学部学生):そのような取引形態は、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年、法律54号)」にいう不当な取引制限に抵触するのではないでしょうか。いわゆる独占禁止法といわれるこの法律の8条1項では、一定の取引分野を実質的に制限する事業者団体の行為の禁止を定めています。事業者団体は一般にカルテルの温床になりやすいとしてこのような規制が行われています。協同組合を介したこのような取引はカルテルに大変近いという気がします。


SYSOP:ビジターさん何時も有り難うございます。シェア調整金の性質が、単なる、売上、仕入れの発生といえるかなど税法上も難しい問題を含んでいます。


 最後に一言。「組み合わせたものは、遅かれ早かれバラバラになる。」(サイモンの法則)


  DISCONNECTED  NO CARRIER


 主に次の資料を参考にしました。


*博学こだわり倶楽部編『博学知識塾V』夢文庫*財団法人流通システム開発センター『セメント・生コン商慣行改善調査研究報告書』平成7年3月*久保欣哉『独占禁止法通論』229頁



前のページ

ホームページ

Last Updated: 7/JUL/96